DeNA × 面白法人カヤック × クリーク・アンド・リバー社 セミナーレポート
2010年9月27日 19:07
クリーク・アンド・リバー社主催によるセミナーに参加してきました。
面白法人カヤックの比留間氏と DeNA の松井氏による HTML5 の機能を使った事例や、
これからの Web・モバイル業界で求められる人物像などを中心とした内容でした。
もしも、マークアップエンジニアがひとりで web サイトをつくったら
HTML5 で作る web アプリ
面白法人カヤック 比留間和也氏
■スライド
http://jsdo.it/edo_m18/seminar/
(HTML5 + CSS3 + JS で作られていてスゴイ!)
■セッションの目的
HTML のバージョンアップに便乗して自分もスキルアップ
■HTML5 ってなに?
- HTML4.01 から 10 年ぶりのアップデート
- 関連 API、SVG、CSS3 などを含めて HTML5 とよばれることも多い
■HTML5を取り巻く環境
- ラストコールに向けて走り出した
- Flash vs HTML5
- Youtube、vimeo などの大手で取り入れ始めた
■HTML5のどこがすごいの?
- 今までできなったこと、手間のかかることが可能に。
- アプリを作る上での土台が整ってきた。
- ドラッグ&ドロップのコードもコンパクト
sample) HTML5ROCKS、water type(jsdo.it)、GWT Quack
■既存サービスに HTML5を応用するとこんなに便利
- 一時保存機能
http://jsdo.it/edo_m18/roe9/fullscreen
http://jsdo.it/edo_m18/sclg/fullscreen - カートに Drag&Drop
http://icondock.com
■マークアップエンジニアが作る web アプリ
- Web Strage
- Drag&Drop
- アプリケーションキャッシュ
cookie の強化版(要領制限は 4KB)
でも大容量のデータを保存できる(仕様では制限なし。但し、IE8 の場合 10M) - CSS3
border-radius、box-shadow、text-shadow、transition、rgba
■今後求められるスキル
- デザイナーでも今後は動きのあるデザインができることが必要
- HTML5 を使えばインタラクティブなところにも手を出せてスキルアップ出来る
- WEB アプリの動きのあるデザインやマークアップが可能
これから求められるクリエイターとは?
株式会社ディー・エヌ・エー 松井 毅氏
現状は HTML5 未活用
■HTML5なぜ使わない?
- 使えるコーダーが少ない
- 企画・デザイナー・システムの把握度が低い。ややシステム先行
主戦場がWAPの時代が長かった
↓
今後各スキルセットの「引き出し」に入れるべき
■HTML5社内展望(ポジティブ)
- マルチブラウザ対応
毎回スクラッチで制作する限界。Androidの端末固有仕様に四苦八苦
アプリも含めたコンバーターの可能性・親和性 - 3Dアバター他、画像レンダリング
Flash重い - コミュニティまわりのローカルストレージ
- ゲーム
- 可読性向上、運用簡易化…
使いどころはいっぱい
■HTML5社内展望(ネガティブ)
- 走りながら変える大変さ
過去の遺産と捉えられるまでは…
組織肥大化傾向。足並み揃えるのが大変。開発環境を塗り替えるだけでも大変 - 「なくても良い」感
まあ回ってる
メインユーザーはローリテラシー。環境、ニーズ - 海外の実情
Android1.6あたりの普及っぷり - 人材難
バランスをとりつつ進めるのが現実的
パネルディスカッション
■HTML5はいつから標準になりますか?
H(KAYAC 比留間氏))いつからかは、まだ言えない。W3C だと 2012 年に勧告。
そうゆうこともあって、なかなか標準になりづらいが、実際に使える技術であるので、
使えるサイトでは使っていくのでよいのでは?
M(DeNA 松井氏))来年くらいから作っていくサービスでは HTML5 を盛り込んだものを作っていくかも。
■今はまっているアプリは?
K(C&R 金沢氏))twitter と map
Y(DeNA 吉田氏))twitter。yahoo モバゲーを検索し、リアルなユーザの意見を収集。
H)パズルゲーム。エニグモ2。時間つぶしに最適なアプリ。
■Webアプリやソーシャルゲームの開発者として、これから先どんなスキルを持っている人の需要が増えていくと思いますか?
M)今やっているサービスですごく特殊な技術を使っているものはない。
パッケージゲームに対し、ユーザの需要に対して臨機応変に対応し続けるという
(バグ対応含め)という姿勢が大事。
K)スキルというか、ノウハウ(HTML5 を使うと、こうゆう効果があるとか、逆に下がるとか)を
持っていると採用しやすい。
ポートフォリオとは別にノウハウ集などを作ってみたはどうでしょうか?と
提案させてもらっている。
H)ノウハウという部分でも確かに思う。全般的に見れる人。
手を出してみた人は全部出来なくても、コミュニケーションがとりやすい。
■印象に残っている面接・候補者は?
M)土下座されたことが一度あります。心は動かなかった。
専門的なスキルの面接の時、コードを見せられて困った。
H)自分がどうゆうスキルがあるか、どうゆう人なのかというところを伝えようとした。
ポートフォリオはがんばって作った。
■一番好きな技術は?
Y)HTML は単純に好き。最初は編集の仕事から web にあがってきてるので、
HTML がテーブルコーディングからやっと本来の形にきている気がする。
H)CSS(CSS3 を含め)が一番好きな技術。
プログラムと比べて意外と柔軟(曖昧)に出来る。
用意されていないところを発見していけるところ。
■今後、HTML5 の登場で、サイト間で技術の格差が出来るのか?
H)簡単になったことで、わりとリッチなものが作りやすくなる。
作りやすくなった分、ほかの部分で力を注げる。そんなに変わらないのでは?
■普段スキルをどのようにつけてますか?
H)興味が一番大きい。今回のセミナーの資料作りですごい勉強になった。
自分のビジョンを持って、作ってみるといろいろと勉強になる。
自分でやってみるといろいろと勉強になる。
■今後、HTML6、CSS4 にはどのようなものを期待しますか?
H)駅構内、立体、街中で使う端末用とか
M)まったく分かんないですね…
Y)立体っていうのは思ってます
■Flashの展望
Y)apple の方も緩和になりつつある。海外では Flash クリエーターの年収があがっている。
Flashが消えないと思うし、結局決めるのはマイクロソフトなんじゃないか。
ブラウザの対応で何で作るかって決まってしまうので。
H)ユーザ次第。ニーズがあるなかでなくなる事はないと思う。
HTML5 を作って、できない部分は Flash で実装するなど、共存していくのでは?
■面白かったゲームタイトルとそのポイント、企画が通りやすいゲーム
M)テーマはなんでもいい。テーマの設定は大事。年齢層などのターゲット。
ポイントとなるのは、タイムマネージメントの要素、ソーシャルな部分でのユーザとの関わりの部分。
不特定多数のユーザ同士をどのように関わらせていくのか?とか。
Y)テーマの設定は大事。怪盗ロワイヤルは全く面白さが分からなかったが、
戦国ロワイヤルでは目的がはっきりしてて分かりやすかった。
全体の感想
個人的には HTML5 は、ベーシックなマークアップとレイアウト組みぐらいしかやっていないので、
今回のようなインタラクティブなデモを拝見しながらの講演はとても刺激的で
ちょっとこれは、熱が冷めないうちに自分でも何か作ってみなくてはと思ってしまう内容でした。
UI などの装飾も CSS3 である程度出来てしまうので、
ちょっとした web アプリケーションを作るにはまさにジャストに感じました。
今後、コーダーは、レイアウト主体のマークアップだけではなく、
動的な部分にも関わるようになるので
JS などのスクリプトのスキルも同時に求められていく気もしました。
携帯ゲーム市場としては、現状まだ Flash が主流のようです。
開発現場のシステム移行の困難さゆえ、
HTML5 への切り替えは容易ではないということもありますが、
全体的に積極性は感じられませんでした。
確かにユーザーのローリテラシーっていうは納得。
ユーザ的にはゲームが出来れば良いわけですから。
ユーザの端末がスマートフォンに移行していくことで、
そんな状況も徐々に変わっていくのかもしれないと感じました。
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